コンビニで我々に与えられた役割は、足元のエサをついばむ家畜のごとくふるまうことである。
そしてその場にいる限り、そこから逃れることはできない。さらにいえばその場で与えられた役割に甘
んじ、それでよしとしている。とりあえず目の前のレジ業務に没頭しておけば、間違いはないだろうと。またとりあえず黙って並んでおけば、面倒なことも起きないだろうし、自己を公共の面前でさらけださずに済むだろうと。足元をのみ見るのだ。
そう考えるとあの女の足元に千円札が散らばっていたことは示唆的な気がする。もしかしたら世界が
終わるその当日まで、コンビニで雑誌を立ち読みし、レンタルビデオを借りるためにレジに並んでいる
のかもしれない、ということをその女の出現によって知った次第である。
