女の戦い 永瀬清子
底本:思潮社刊「あけがたにくる人よ」所収
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朗読:みさきすずか
詩集「あけがたにくる人よ」巻末の作品です。
抒情性たかくうたいあげた「あけがたにくる人よ」「古い狐のうた」などの一群
「その家を好きだった」「私と時計」の一群
そして「黙っている人よ 藍色の靄よ」をはじめとする夫への哀歌。
これは、さいごの群の、もはや詩というべきか 哀傷のつぶやきといったらいいでしょうか。
ほとばしることばを そのままに書きつけた
生のまま きざみとられた家族のすがたは
択びとる加工をくわえぬままに たれの干渉も受けず
まっすぐに こころにさしこんできます。
おろかな。というはたやすい。
おろかであると うけいれるのは
なまじいに うつわを選ぶのです。
いつか ではなく
いま 生きているうちに。