
源氏物語 〜箒木〜 -20/20- (完)
紫式部
音楽: Claude Debussy "Images (oubliees) (1894)" より
演奏: TAKERU
底本: ワイド版岩波文庫 「源氏物語(一)」
P90L6-P92L1
朗読: みさきすずか
箒木の心を知らで
・・・きみは、「いかに、たばかりなさむ」と、まだ幼きを、後めたく待ち臥し給へるに、不用なるよしを、きこゆれば、「あさましく、珍らかなりける、心の程を。・・・
綱渡りのようでしたが、ともかくも「箒木」を終えます。
長年、「箒木」はとっつきにくくて敬遠しがちだったのですが、訥々ながらも読み進むうちに、ここには源氏の種=sheed=がつまっているんだなとつくづく感じました。
また空蝉という女性も、これまでは地味な印象ですぎてしまっていたのが、ひとしれずもがいた苦しみを共有するに及んで、彼女を支配したのは美学であったのだなと思い当たりました。
身分というものを、たんにひとのつくったもの、とりはらわれてすでにないものとするのでなく、あくまでもそのひとの負う宿命としてとらえるならば、源氏の女たちの生きざまはまさにいまにも通ずる示唆として読むことができるし、事実、そのように読み継がれてきたのでしょう。
美醜、経済、立場、教養から家族、伴侶と、さまざまのファクターがせめぎあう。
お聞きくださいました方々、ありがとうございました。
明年は、「空蝉」からはじめます。