2006年5月21日、みどりのテーブル2006年度総会二日目に、政策研究分科会が開催された。第一分科会は青木秀和さん(財政研究家)による「脱成長社会と財政」、第二分科会は安田節子さん(食政策センター・ビジョン21)による「食の安全と農業」、第三分科会は櫛渕万里さん(ピースボート)と中山均さん(新潟市議)による「憲法と北東アジアの安全保障」。各分科会の全体報告を、第一分科会は田中信一郎が、第二分科会は稲村和美が、第三分科会は小林一朗がしている。今回その全体報告、約21分をお届けする。
当日配布レジュメは準備ができしだいこちらに掲載する。
2005年11月25日、みどりの政治研究会にて畑山敏夫氏が「なぜ、緑の思想と運動なのか? 選択肢は存在している」と題して講義を行った。時間は約1時間15分。畑山敏夫氏の了解を得て、皆さんへ公開する。当日配布レジュメのうち図表をのぞいたテキスト部分を以下に掲載。
なぜ、緑の思想と運動なのか? 選択肢は存在している
1、私たちはどこに向かうのか? 近代社会の行き詰まりと超え方
近代社会 工業化と資本主義経済、国民国家の形成、効率性と物質主義の価値観
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国民国家の枠組みで有効需要を管理、国民への再分配による統合=「大きな政府」
経済成長を前提とした安定した政治秩序 資本主義型の「大きな政府」と社会主義型の「大きな政府の競争的共存
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1973年の石油危機を契機とした高度経済成長の終焉
「大きな政府」の行き詰まり
資源と環境の限界の自覚化 成長の限界
近代社会の到達点としての「豊かな社会」とその行き詰まり
個人主義化と人間関係の希薄化、家族や地域社会の解体化、教育の統合機能の低下、「リスク社会」化
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近代社会の行き詰まりを超える3つの道
(1)新自由主義 市場を通じた競争社会、グローバル資本主義化による物質主義と経済成長の持続(ハイパーモダン主義)
(1)” 新しい社会民主主義 市場主義の肯定+社会的公正=「社会的自由主義」
(2)緑の政治 市民社会を通じた市場とグローバル資本主義のコントロール 物質主義と経済成長の脱却(ポストモダン主義)
(3)新しい右翼 国民国家を通じた市場とグローバル資本主義のコントロール、物質主義と経済成長の持続(ポストモダン・モダン主義)
2、新しい社会運動から政党へ
1968年発の新しい政治
新しいスタイル、新しい価値観、新しい争点
脱物質主義とリバタリアン
集権主義・権威主義批判と自己決定と自治、分権、参加の重視
古い政治の批判 反官僚主義、反エリート支配、反福祉国家
新しい社会運動の叢生 配分的政治を超えた新しい争点、ネットワーク型組織
豊かな社会の知的な市民
既成政党の新しい争点群への鈍感 新しい社会運動を基盤とした新しい政党の結成
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「運動的政党」「反政党的政党」の現実化 地方 国政議会への参入と定着、政権参加
3、選択肢は存在する スロー・スモール・シンプルな社会へ
新自由主義=唯一の正しく現実主義的な道であるという「常識」の支配
物質主義と経済成長を前提にする限り突破口はない 社会民主主義の悪戦苦闘がそのことを物語っている
新自由主義の価値観と社会ビジョン、現実的結果の批判
緑の理念を踏まえた社会像と政策的提言
「Always 3丁目の夕日」のような分かりやすい社会イメージ、スロー・シンプル・スモールな社会とは?
斬新な緑の政策提言 バカンス法、週35時労働制、道路予算の公共交通への転換、森林交付金制度、パリテ・パックス法、トービン税、現実的な政策を備えた政党
緑の政府論はどのように打ち出すか? 安心と安全を確保する中央・自治体政府+市民社会の活性化戦略
新自由主義による政治空間の縮小にどのように対抗するのか? 新しい民主主義の可能性=拡張され深化された民主主義
スローな生活と社会という選択肢の明確化と具体化 もう一つの豊かさと幸福像、喜ばしき自己制約
ディープな緑のスピリット+寛容なリバタリアン+冷静な社会構想と具体的政策
スローなライフスタイルの提案から出発したスローな社会と経済がオルタナティヴ
テキスト:賀来健輔・丸山 仁編著『政治変容のパースペクティブ』ミネルヴァ書房
おすすめ書籍:辻信一『スローイズビューティフル』平凡社



