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〈注〉古い文学作品の朗読において、今日の表現基準に照らすと不適切と思われる語句や表現がありますが、発表時の時代背景と文学性を考え合わせ、底本通りに読んでいますのでご了承ください。



January 14, 2009, 4:43 am
「幕末維新懐古談・仏師の店のはなし(職人気質)」 高村光雲
「幕末維新懐古談・仏師の店のはなし(職人気質)」


作:高村光雲
Takamura, Koun
朗読:日高徹郎
5分13秒

 師匠東雲師の家が諏訪町(すわちょう)へ引っ越して、三、四年も経(た)つ中(うち)に、珍しかった硝子(ガラス)戸のようなものも、一般ではないが流行(はや)って来る。
・・・・・・・・・・
それで、面倒であったり、または、腕のにぶい師匠は、そっと草鞋銭(わらじせん)を出して出て行ってもらったなど、これらもその当時の職人気質(かたぎ)の一例でありました。


底本:「幕末維新懐古談」岩波文庫、岩波書店
   1995(平成7)年1月17日第1刷発行
底本の親本:「光雲懐古談」万里閣書房
   1929(昭和4)年1月刊
入力:網迫、土屋隆
校正:しだひろし
2006年1月15日作成
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January 13, 2009, 4:18 am
「月の夜」 樋口一葉
「月の夜」 樋口一葉

作:樋口一葉
Higuchi, Ichiyo
朗読:日高徹郎
3分21秒

 村雲(むらくも)すこし有るもよし、無きもよし、みがき立てたるやうの月のかげに尺八の音(ね)の聞えたる、上手ならばいとをかしかるべし、
・・・・・・・・・・
大路(おほぢ)ゆく辻占(つぢうら)うりのこゑ、汽車の笛(ふえ)の遠くひゞきたるも、何(なに)とはなしに魂(たましひ)あくがるゝ心地(こゝち)す。


底本:「日本の名随筆58 月」作品社
   1987(昭和62)年8月25日第1刷発行
   1989(平成1)年1月25日2刷
底本の親本:「一葉全集 後篇」博文館
   1912(大正1)年6月
入力:葵
校正:もりみつじゅんじ
2000年11月6日公開
2005年6月28日修正
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January 12, 2009, 1:53 am
「思ひ出(3-3)了」太宰治
「思ひ出(3-3)了」太宰治

作:太宰治
Dazai, Osamu
朗読:日高徹郎
8分05秒

 三章(3)了

 朝、眼をさますと、秋空がたかく澄んでゐた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
叔母は兩手を帶の上に組んでまぶしさうにしてゐた。私は、似てゐると思つた。(了)


底本:「太宰治全集2」筑摩書房
   1998(平成10)年5月25日初版第1刷
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
入力:赤木孝之
校正:小林繁雄
2004年4月20日作成
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January 11, 2009, 1:13 am
「思ひ出(3-2)」太宰治
「思ひ出(3-2)」太宰治

作:太宰治
Dazai, Osamu
朗読:日高徹郎
10分18秒

 三章(2)

 また二三日たつて、ある朝のこと、私は、前夜ふかした煙草がまだ五六ぽん箱にはひつて殘つてゐるのを枕元へ置き忘れたままで番小屋へ出掛け、あとで氣がついてうろたへて部屋へ引返して見たが、部屋は綺麗に片づけられ箱がなかつたのである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
みよの事をすつかり頭から拔いてした。みよをよごす氣にはなれなかつたのである。  
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January 10, 2009, 12:02 am
「思ひ出(3-1)」太宰治
「思ひ出(3-1)」太宰治

作:太宰治
Dazai, Osamu
朗読:日高徹郎
9分55秒

 三章(1)

 四年生になつてから、私の部屋へは毎日のやうにふたりの生徒が遊びに來た。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
もう、みよを忘れてやるからいい、と私はひとりできめてゐた。  
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January 9, 2009, 6:53 am
「思ひ出(2-4)」太宰治
「思ひ出(2-4)」太宰治

作:太宰治
Dazai, Osamu
朗読:日高徹郎
4分33秒

 二章(4)

 秋のはじめの或る月のない夜に、私たちは港の棧橋へ出て、海峽を渡つてくるいい風にはたはたと吹かれながら赤い絲について話合つた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 そのころから私はみよを意識しだした。赤い絲と言へば、みよのすがたが胸に浮んだ。  
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January 8, 2009, 2:21 am
花がたり「イエローサルタン」一条綾香
花がたり「イエローサルタン」一条綾香

作:一条綾香
Ichjo, Ryoka
朗読:日高徹郎(Ted☆夢の続き)
16分11秒

ヤグルマギクは語る。
生まれ故郷の遠い記憶を。
その地に住まいし美貌の王子の話を、風に吹かれながら、そっと花は語るのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
*この作品には著作権が存在します。
「イエローサルタン」5/19の誕生花
花言葉「独身を楽しむ」  
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January 7, 2009, 1:50 am
「思ひ出(2-3)」太宰治
「思ひ出(2-3)」

作:太宰治
Dazai, Osamu
朗読:日高徹郎
7分32秒

 二章(3)

 私が三年生になつて、春のあるあさ、登校の道すがらに朱で染めた橋のまるい欄干へもたれかかつて、私はしばらくぼんやりしてゐた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私たちはなんでも打ち明けて話した。  
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January 6, 2009, 1:10 am
「思ひ出(2-2)」太宰治
「思ひ出(2-2)」

作:太宰治
Dazai, Osamu
朗読:日高徹郎
10分23秒

 二章(2)

 學校の勉強はいよいよ面白くなかつた。白地圖に山脈や港灣や河川を水繪具で記入する宿題などは、なによりも呪はしかつた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この唇には、あとで赤いインクを塗つてみたが、妙にどすぐろくなつていやな感じがして來たから、私は小刀ですつかり削りとつて了つた。  
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January 5, 2009, 1:07 am
「思ひ出(2-1)」太宰治
「思ひ出(2-1)」

作:太宰治
Dazai, Osamu
朗読:日高徹郎
9分55秒

 二章(1)

 いい成績ではなかつたが、私はその春、中學校へ受驗して合格をした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その當時私にとつて、どんな本でも休養と慰安であつたからである。  
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