ケロログ
December 3, 2008, 1:56 am
「文士の生活」夏目漱石
「文士の生活」
作:夏目漱石
Natsume, Soseki
朗読:日高徹郎
14分29秒

夏目漱石氏−収入−衣食住−娯楽−趣味−愛憎−日常生活−執筆の前後

出典:青空文庫
底本:「筑摩全集類聚版 夏目漱石全集 10」筑摩書房 
1972(昭和47)年1月10日第1刷発行  
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November 30, 2008, 11:36 am
「一夜」夏目漱石
「一夜」
作:夏目漱石
Natsume, Soseki
朗読:日高徹郎
23分26秒

出典:青空文庫
底本:「夏目漱石全集2」ちくま文庫、筑摩書房
   1987(昭和62)年10月27日第1刷発行

「美くしき多くの人の、美くしき多くの夢を……」と髯(ひげ)ある人が二たび三たび

微吟(びぎん)して、あとは思案の体(てい)である。

人生を書いたので小説をかいたのでないから仕方がない。なぜ三人とも一時に寝

た? 三人とも一時に眠くなったからである。  
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October 20, 2007, 7:08 pm
「草枕(53)十三章(終章全)」夏目漱石
夏目漱石/草枕・十三章(完)18分50秒

作: 夏目漱石, Natsume, Soseki
よみ:日高徹郎 

川舟で久一さんを吉田の停車場まで見送る。舟のなかに坐ったものは、送られる久一さんと、送る老人と、 那美さんと、那美さんの兄さんと、荷物の世話をする源兵衛と、それから余である。余は無論御招伴に過ぎん。

その茫然のうちには不思議にも今までかつて見た事のない「憐れ」が一面に浮いている。「それだ! それだ! それが出れば画になりますよ」と余は那美さんの肩を叩きながら小声に云った。余が胸中の画面はこ<の咄嗟の際に成就したのである。(完)


読み終えました。みなさん、ご聴取ありがとうございました。
改めて聴き返しますと、全体のレベルの不統一なところや誤読箇所などを発見し、ひとり赤面しています。
また新たに、できるだけ一度に読んでみようと思います。その節はよろしくお願いいたします。
しかしながら、この期間、私自身が旅を続けていたような、まるで夢のような心持ちになっていました。
いまも、その余韻が残っています。不思議です。
  
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October 20, 2007, 5:58 pm
「草枕(52)十二章(6/6)」夏目漱石
夏目漱石/草枕・十二章(6/6)
(2分25秒)

作: 夏目漱石, Natsume, Soseki
よみ:日高徹郎 

岨道の登り口へ出て、村へ下りずに、すぐ、右に折れて、また一丁ほどを登ると、門がある。門から玄関へかからずに、すぐ庭口へ廻る。

短刀は二三度とんぼ返りを打って、静かな畳の上を、久一さんの足下へ走る。作りがゆる過ぎたと見えて、ぴかりと、寒いものが一寸ばかり光った。  
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October 20, 2007, 2:00 pm
「草枕(51)十二章(5/6)」夏目漱石
夏目漱石/草枕・十二章(5/6)
(4分42秒)

作: 夏目漱石, Natsume, Soseki
よみ:日高徹郎 

二人は左右へ分かれる。双方に気合がないから、もう画としては、支離滅裂である。雑木林の入口で男は一度振り返った。

「あれが兄の家です。帰り路にちょっと寄って、行きましょう」
「用でもあるんですか」
「ええちっと頼まれものがあります」
「いっしょに行きましょう」  
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October 20, 2007, 2:45 am
「草枕(50)十二章(4/6)」夏目漱石
夏目漱石/草枕・十二章(4/6)
(6分10秒)

作: 夏目漱石, Natsume, Soseki
よみ:日高徹郎 

寝返りをして、声の響いた方を見ると、山の出鼻を回って、雑木の間から、一人の男があらわれた。茶の中折れを被っている。中折れの形は崩れて、傾く縁の下から眼が見える。

女はもう引かぬ、男は引かりょうともせぬ。心的状態が絵を構成する上に、かほどの影響を与えようとは、画家ながら、今まで気がつかなかった。  
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October 19, 2007, 7:18 am
「草枕(49)十二章(3/6)」夏目漱石
夏目漱石/草枕・十二章(3/6)
(7分09秒)

作: 夏目漱石, Natsume, Soseki
よみ:日高徹郎 

三丁ほど上ると、向うに白壁の一構が見える。蜜柑のなかの住居だなと思う。道は間もなく二筋に切れる。

木瓜が出なくっても、海が出なくっても、感じさえ出ればそれで結構である。と唸りながら、喜んでいると、エヘンと云う人間の咳払が聞えた。こいつは驚いた。  
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October 18, 2007, 8:20 am
「草枕(48)十二章(2/6)」夏目漱石
夏目漱石/草枕・十二章(2/6)
(7分29秒)

作: 夏目漱石, Natsume, Soseki
よみ:日高徹郎 

門を出て、左へ切れると、すぐ岨道つづきの、爪上りになる。鶯が所々で鳴く。左り手がなだらかな谷へ落ちて、蜜柑が一面に植えてある。

いわんや山をや水をや他人をや。那美さんの行為動作といえどもただそのままの姿と見るよりほかに致し方がない。  
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October 17, 2007, 3:37 am
「草枕(47)十二章(1/6)」夏目漱石
夏目漱石/草枕・十二章(1/6)
(6分29秒)

作: 夏目漱石, Natsume, Soseki
よみ:日高徹郎 

基督は最高度に芸術家の態度を具足したるものなりとは、オスカー・ワイルドの説と記憶している。基督は知らず。観海寺の和尚のごときは、正しくこの資格を有していると思う。

閃くは稲妻か、二折れ三折れ胸のあたりを、するりと走るや否や、かちりと音がして、閃めきはすぐ消えた。女の左り手には九寸五分の白鞘がある。姿はたちまち障子の影に隠れた。余は朝っぱらから歌舞伎座を
覗いた気で宿を出る。  
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October 16, 2007, 12:20 am
「草枕(46)十一章(4/4)」夏目漱石
夏目漱石/草枕・十一章(4/4)
(5分42秒)

作: 夏目漱石, Natsume, Soseki
よみ:日高徹郎 

鉄瓶の口から煙が盛に出る。和尚は茶箪笥から茶器を取り出して、茶を注いでくれる。
「番茶を一つ御上り。志保田の隠居さんのような甘い茶じゃない」
「いえ結構です」

山門の所で、余は二人に別れる。見返えると、大きな丸い影と、小さな丸い影が、石甃の上に落ちて、前後して庫裏の方に消えて行く。  
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October 15, 2007, 1:22 am
「草枕(45)十一章(3/4)」夏目漱石
夏目漱石/草枕・十一章(3/4)
(4分47秒)

作: 夏目漱石, Natsume, Soseki
よみ:日高徹郎 

和尚の室は廊下を鍵の手に曲って、本堂の横手にある。障子を恭しくあけて、恭しく敷居越しにつくばった了念が、
「あのう、志保田から、画工さんが来られました」と云う。はなはだ恐縮の体である。

「そうかな。蜀犬日に吠え、呉牛月に喘ぐと云うから、わしのような田舎者は、かえって困るかも知れんてのう」
「困りゃしませんがね。つまらんですよ」
「そうかな」  
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October 14, 2007, 8:21 pm
「草枕(44)十一章(2/4)」夏目漱石
夏目漱石/草枕・十一章(2/4)
(7分04秒)

作: 夏目漱石, Natsume, Soseki
よみ:日高徹郎 

雨垂れ落ちの所に、妙な影が一列に並んでいる。木とも見えぬ、草では無論ない。感じから云うと岩佐又兵衛のかいた、鬼の念仏が、念仏をやめて、踊りを踊っている姿である。

「そおら。読めたろ。脚下を見よ、と書いてあるが」
「なるほど」と余は自分の下駄を丁寧に揃える。  
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October 13, 2007, 12:42 am
「草枕(43)十一章(1/4)」夏目漱石
夏目漱石/草枕・十一章(1/4)
7分29秒)

作: 夏目漱石, Natsume, Soseki
よみ:日高徹郎 

山里の朧に乗じてそぞろ歩く。観海寺の石段を登りながら仰数春星一二三と云う句を得た。余は別に和尚に逢う用事もない。逢うて雑話をする気もない。

どこやらで鳩の声がしきりにする。棟の下にでも住んでいるらしい。気のせいか、廂のあたりに白いものが、点々見える。糞かも知れぬ。  
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October 12, 2007, 2:59 am
「草枕(42)十章(4/4)」夏目漱石
夏目漱石/草枕・十章(4/4)
(4分28秒)

作: 夏目漱石, Natsume, Soseki
よみ:日高徹郎 

画をかきに来て、こんな事を考えたり、こんな話しを聴くばかりでは、何日かかっても一枚も出来っこない。せっかく絵の具箱まで持ち出した以上、今日は義理にも下絵をとって行こう。

帯の間に椿の花の如く赤いものが、ちらついたと思ったら、すでに向うへ飛び下りた。夕日は樹梢を掠めて
、幽かに松の幹を染むる。熊笹はいよいよ青い。また驚かされた。  
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October 11, 2007, 12:43 am
「草枕(41)十章(3/4)」夏目漱石
夏目漱石/草枕・十章(3/4)
(5分41秒)
作: 夏目漱石, Natsume, Soseki
よみ:日高徹郎 

がさりがさりと足音がする。胸裏の図案は三分二で崩れた。見ると、筒袖を着た男が、背へ薪を載せて、熊笹のなかを観海寺の方へわたってくる。隣りの山からおりて来たのだろう。

「ふん」と余は煙草の吸殻から細い煙の立つのを見て、口を閉じた。源兵衛は薪を背にして去る。
  
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October 10, 2007, 12:01 am
「草枕(40)十章(2/4)」夏目漱石
夏目漱石/草枕・十章(2/4)
(8分05秒)
作: 夏目漱石, Natsume, Soseki
よみ:日高徹郎 

二間余りを爪先上がりに登る。頭の上には大きな樹がかぶさって、身体が急に寒くなる。向う岸の暗い所に椿が咲いている。

あの女の顔に普段充満しているものは、人を馬鹿にする微笑と、勝とう、勝とうと焦る八の字のみである。あれだけでは、とても物にならない。  
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October 9, 2007, 12:25 am
「草枕(39)十章(1/4)」夏目漱石
夏目漱石/草枕・十章(1/4)
(6分33秒)
作: 夏目漱石, Natsume, Soseki
よみ:日高徹郎 

鏡が池へ来て見る。観海寺の裏道の、杉の間から谷へ降りて、向うの山へ登らぬうちに、路は二股に岐れて、おのずから鏡が池の周囲となる。

今度は思い切って、懸命に真中へなげる。ぽかんと幽かに音がした。静かなるものは決して取り合わない。もう抛げる気も無くなった。絵の具箱と帽子を置いたまま右手へ廻る

。  
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October 5, 2007, 8:59 pm
「草枕(38)九章(全)」夏目漱石
夏目漱石/草枕・九章(全)
(18分57秒)
作: 夏目漱石, Natsume, Soseki
よみ:日高徹郎 

00分00秒〜

「御勉強ですか」と女が云う。部屋に帰った余は、三脚几に縛りつけた、書物の一冊を抽いて読んでいた。
「御這入りなさい。ちっとも構いません」
・・・・・・・・・・

06分01秒〜

これも一興だろうと思ったから、余は女の乞に応じて、例の書物をぽつりぽつりと日本語で読み出した。
・・・・・・・・・・

14分42秒〜

余は何と答えてよいやらちょっと挨拶が出なかった。
女はすかさず、「そんな忘れっぽい人に、いくら実をつくしても駄目ですわねえ」と・・・・・・・・・・  
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October 4, 2007, 10:19 pm
「草枕(37)八章(4/4)」夏目漱石
夏目漱石/草枕・八章(4/4)
(7分34秒)
作: 夏目漱石, Natsume, Soseki
よみ:日高徹郎 

もしこの硯について人の眼を峙つべき特異の点があるとすれば、その表面にあらわれたる匠人の刻である。

運命は卒然としてこの二人を一堂のうちに会したるのみにて、その他には何事をも語らぬ。  
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October 3, 2007, 9:35 pm
「草枕(36)八章(3/4)」夏目漱石
夏目漱石/草枕・八章(3/4)
(6分37秒)
作: 夏目漱石, Natsume, Soseki
よみ:日高徹郎 

老人が紫檀の書架から、恭しく取り下した紋緞子の古い袋は、何だか重そうなものである。

若い男は気の毒そうに、老人の顔を見る。老人は少々不機嫌の体に蓋を払いのけた。
下からいよいよ硯が正体をあらわす。  
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