ケロログ
 
 
Mypop
Profile
■霜嶋 遠近(シモジマトーチカ)
1971年生まれ・詩人、コピーライター、イラストレーター。
Recent Coment
2012年04月
最新記事へ
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
<<前月
November 20, 2008, 8:36 pm
雨宿り
部屋の窓から ほおづえをついて
くすんだ町並みを見ている
明るい昼下がり
雨が ラジオのノイズみたいに

あなたといっしょにいて もう
ずいぶん経つけど
いままで
どんなにいっしょうけんめい
伝えてみても
どんなに 涙を流して
叫んでみても
わかってくれないことが
ひとつだけ あるの

それは わたしの我が侭 かもしれないけど
いつか気付いてほしいって
ずっと思ってる こんなこと言ったら
あなたはきっと 困った顔を
すると思うけど  
関連タグ:【追加】【削除】
通報する
Posted by シモジマトーチカ at November 20, 2008, 8:36 pmComments(7)TrackBack(0)
November 20, 2008, 8:34 pm
 
 冷えた空気が 腕の表面を
 ゆるゆら と這っていく
 窓枠に テントウムシ
 背中に 情熱と不安をのせて雨宿り

でもね でも
あなたにわかってほしいけど
わかってもらいたいけど ほんとうは
わかってくれなくてもいい って
頭のどこかで 思ってるのかもしれない

そんなこと言ったら
あなたはますます 困るでしょうね

部屋の窓から ためいきをついて
ぼやけたミライを見ている
明るい昼下がり
こうしてわたしは 今日も
あなたの帰りを待っている  
  download

関連タグ:【追加】【削除】
通報する
Posted by シモジマトーチカ at November 20, 2008, 8:34 pmComments(0)TrackBack(0)
November 20, 2008, 8:29 pm
まだ見ぬ夜に
汗ばんだシーツの感触を 背中で感じながら
わたしは 薄暗い天井を見つめている
不規則な荒息が 左の耳をくすぐり
ベッドを かすかに揺らしている
そんな夜に

唇で感じる生臭いにおい
秒針が刻む 時の音

このヒトは いつまでわたしを求めつづけるのだろうか
わたしは いつまであなたの重みに 耐えられるだろうか

沈黙の天井
薄く付いたキズは たしかシャンパンの コルクの跡
かすれていく あの日

あなたの呼吸は
しだいに ゆっくりとしたワルツを踊り
わたしの知らない世界へ 行ってしまうようで  
関連タグ:【追加】【削除】
通報する
Posted by シモジマトーチカ at November 20, 2008, 8:29 pmComments(0)TrackBack(0)
November 20, 2008, 8:27 pm
 
いつかふたりで ベッドに入って
あなたの唇が わたしの鎖骨をなぞらなくなっても
あなたの背中を 見つめるだけの夜が続いても
わたしは

わたしはあなたを問い詰めたりはしない
気づかれないように 涙を流したりも しない
ただ

ときどき あなたの手だけは握らせてほしい
優しく 握らせてほしい
あなたの哀しみを
追い払うことは できないかもしれないけど

そして
もし 想いが届いたら
一度だけ 強く握り返してくれたら
わたしは うれしい

ただ それだけで
わたしは 目を閉じることができるから  
  download

関連タグ:【追加】【削除】
通報する
Posted by シモジマトーチカ at November 20, 2008, 8:27 pmComments(0)TrackBack(0)
November 20, 2008, 1:08 am
ジェリーフィッシュの夜
むせ返る 熱帯のような渋谷の夜に、
美しいクラゲが浮かぶ。

透明で ひんやりした 水底のような夜の闇に、幾つもの、
ネオンの色を帯びた 美しいクラゲが浮かぶ。

僕はと言えば、緩めたネクタイをぶら下げたまま。
視線は遠くに、ぼやけたまま。

指一本で間抜けなピアノを弾くような 空しい気持ちを抱えて、
今日も あの涼しい横顔を想う。
クラゲのやわらかな触手に絡め取られたいのは、
この胸の 可愛い期待。

羊水に浮かぶ赤ちゃんみたいね と、いつかクラゲの前で あの人が言った、
その風鈴のような声が、さざ波みたいに 何度も 何度も 打ち返しては、
この熱っぽい体や 八月の夜は、大いなる揺りかごのリズムで
優しい眠りに ついていくのです。

今夜もあの人は、幼い子供を抱いて、夫に抱かれて、
あの日のような顔で眠るのだろう。
そうだろう。

ああ。

誰かの記憶に残るための 切ない努力を、今日こそ やめるよ。

去らない微熱を持て余しては、羊水の海に揺れる、
ジェリーフィッシュの夜。

(詩/イグチユウイチ 朗読/シモジマトーチカ)  
  download

関連タグ:【追加】【削除】
通報する
Posted by シモジマトーチカ at November 20, 2008, 1:08 amComments(0)TrackBack(0)
August 23, 2007, 1:20 am
薄笑いを浮かべる月、薄笑いが消える月
「逃げてしまいたい」と 彼女の声が聞こえた
休日の 朝もやに煙った公園 散歩道の途中で

僕は立ち止まったまま 彼女からの電波を聞いた
モノトーンの声 まだ暗い空 薄笑いを浮かべる月
白く息づく 心臓の音

あれからどれだけ経っただろう 見たことのない
白く まぶしい笑顔から
いったい どのくらい経ったのだろう
その間
彼女は独り
不都合と不条理に 犯され続けてきたというのか

 僕はいますぐ手を伸ばして
 君の頬を撫でてやりたい
 僕はいますぐ手を伸ばして
 やわらかな君の肩を 抱いてやりたい
 温もりと 匂いと 汗ばんだ劣情をすべて飲みこんで
 ほんとうなら ほんとうなら  
関連タグ:【追加】【削除】
通報する
Posted by シモジマトーチカ at August 23, 2007, 1:20 amComments(1)TrackBack(0)
August 23, 2007, 1:17 am
「失敗したかな」と 彼女の声が聞こえた
休日の 朝もやに煙った公園 散歩道の途中で

僕は立ち止まったまま 彼女の声を聞いた
泡立つ街 再生を遂げる世界 薄笑いが 消える月

でも

僕は 何も言わないまま
僕は 何も 言えないまま

沈黙のかなた
意識は遠のき 立ち上り
あの月とは違う 苦笑いになる

彼女は玄関の外で そっと白い溜息をつく
僕と同じ あの月を見ている
  
  download

関連タグ:【追加】【削除】
通報する
Posted by シモジマトーチカ at August 23, 2007, 1:17 amComments(3)TrackBack(0)
March 7, 2007, 10:09 pm
ホムンクルス
 キャンディグリーンのミニカー
 メイド・イン・ベルギーのミント菓子
 ずいぶん磨り減った消しゴム
 片方だけの水色の手袋

そういう
何の価値もないものを
何の価値もないものだけをかき集めて
コンビニの袋にでも詰め込んで
ぼくは旅に出る

もしもこのまま
ぼくが帰らなかったとしても
ぜったいに
ぜったいに
ぜったいに
ぼくのことを探したりしないでほしい
  
関連タグ:【追加】【削除】
通報する
Posted by シモジマトーチカ at March 7, 2007, 10:09 pmComments(0)TrackBack(0)
March 7, 2007, 10:08 pm
 
一晩だけぼくのことを思い出して泣き明かして
そしてそれっきり
ぼくのことは何もかも忘れてくれ

 ぼくの
 決して低くはないけれど少しこもった声
 人をバカにしたような片頬だけの笑み
 眠そうなゆっくりとした瞬き
 カラーコンタクトみたいな薄茶色の瞳

そういうものすべて
きれいさっぱり忘れてくれ

いつの日か
きみが
ぼくのことを忘れてしまった
という記憶さえ忘れてしまって
ぼくの名前を聞いても
何一つ思い出すものがなくなってしまった頃

 真冬の海岸で拾った小さな貝殻
 居酒屋の婆さんがくれた飴玉の包み紙
 破れてしまった片方だけの水色の手袋

そんな
ゴミみたいなものばかり
きみに送りつけるよ

ゴミみたいだけれど
ささやかなヒント
ゴミみたいだけれど
記憶の発火点

きみの
頭の中に
ちいさな
とてもちいさな
線香花火の最後の瞬間のような
光が走る

さあ
クイズだ
  
関連タグ:【追加】【削除】
通報する
Posted by シモジマトーチカ at March 7, 2007, 10:08 pmComments(0)TrackBack(0)
March 7, 2007, 10:01 pm
 
 破れてしまった片方だけの水色の手袋
 
 居酒屋の婆さんがくれた飴玉の包み紙

 真冬の海岸で拾った小さな貝殻

 カラーコンタクトみたいな薄茶色の瞳

 眠そうなゆっくりとした瞬き

 人をバカにしたような片頬だけの笑み

 決して低くはないけれど少しこもった声

 片方だけの水色の手袋

 ずいぶん磨り減った消しゴム

 メイド・イン・ベルギーのミント菓子

 キャンディグリーンのミニカー

部分の総和は全体ではないなんて
真っ赤な嘘だ
ジグソーパズルのピースのように
(なんて陳腐な喩えだ)
丁寧に部分を組み立てていくのだ

呪文を唱えよ

 すべての
 ものごとには
 意味がある

 すべての
 ものごとには
 価値がある

 意味のないものには
 意味がない
 という意味がある

 価値のないものには
 価値がない
 という価値がある

ぼく

完成したら



ぼく

誕生したら
きみが名前をつけてくれ

おめでとう

ありがとう



(詩/大覚アキラ 朗読/シモジマトーチカ)  
download

関連タグ:【追加】【削除】
通報する
Posted by シモジマトーチカ at March 7, 2007, 10:01 pmComments(0)TrackBack(0)