ケロログ
November 15, 2007, 11:07 pm
若紫の感想
「若紫」を読んでみて・・

 原文と与謝野晶子訳の比較 
 漫画「あさきゆめみし」のことなど・・
 あれこれ、思いつくままに
  
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November 7, 2007, 1:36 pm
和歌集 若紫より
源氏物語には、素敵な和歌がたくさん詠みこまれています。

今日は、和歌でふりかえる若紫・・  
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October 29, 2007, 2:03 pm
源氏物語 若紫 二十二(最終回)
残された人々は、宮様に申し上げようがなかった。
けして誰にも、このことを告げてはならぬと、硬く口止めされていたから、「少納言が連れ去ってしまい、行方がわからないのです」というばかりであった。

宮の落胆は、いかばかりであったことか。僧都のもとをたずねてみても姫君の行方はしれなかった。

一方、二条の院では・・
きれいな様子をした子供たちと、仲良くあそび、源氏の君を新たな父と慕う姫君の姿があった。

  手に摘みて いつしかも見ん 紫の根にかよいける 野辺の若草

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October 19, 2007, 4:07 am
源氏物語 若紫 二十一
こうして間近に見ると、ほんとうにかわいい顔をしている。
いろいろな話をしたり、きれいな絵や、遊びの道具を取りに行かせて、幼い姫君の喜びそうなことを、あれやこれやとしてあげた。

姫君は糊けの取れて柔らかになった濃い鈍色の喪服を着て、微笑んでいる。
その愛らしいすがたに、思わずこちらも笑が浮かぶ。

源氏の君が、東の対へ行かれたので、姫君は入り口近くに立って、庭の木立や、池の方などを覗いてごらんになった。

霜枯れの植え込みは、まるで絵のようで、四位は黒、五位は赤と、位によってそれぞれの服装をした官人たちが、出入りするのもはじめてみる光景だった。

「ほんとに、すてきなところ・・」と姫君はお思いになった。

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October 13, 2007, 1:58 am
源氏物語 若紫 二十
二条の院は近いから、まだ明るくなる前に行き着いて、西の対に車を寄せた。軽々と、若君を抱いておろした。
「何か夢の中のことのようで、いったいどうすれば・・」
と少納言はすぐには車から降りてこなかった。
「若宮は、お連れしました。あなたは、お帰りになるのなら、お送りしますよ」
そう言われて、少納言は笑って降りてきたが、胸がどきどきしてきて、父宮が、お迎えにこられて何と思われになるか、それもこれも、母様や、おばあさまに先立たれた、お身の上の悲しさと思えば、涙がこみ上げてくる。
泣いてはならない、若宮様の新しい生活が始まるときなのだから。

「少納言と眠るの」・・という声はまだ幼い。

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October 4, 2007, 8:40 am
源氏物語 若紫 十九
源氏の君は、今夜は左大臣家に来ている。

いつものことで、あの人はすぐに出てきてはくれない。
「あああ・・」ため息交じり、手なぐさみに東琴をひきながら「常陸には他をこそ作れ・・」と歌う声はつやめいて。

そこへ使いに出していた惟光が帰ってきた。かくかく、しかじかとお伝えする。
源氏の心は決まった。
「明朝、夜の明けぬうちに行く。車はそのままにして、隋人一人二人、召しつけておけ」

夫人には、「内裏にてしなければならないことがあるのを、急に思い出したから、すぐに行って帰ってきますよ」と言い残して、出かけていった。

「こんな夜中に、どうなされたのです?」
「あす、父君の邸へお移りになると聞きました。そのまえにどうしてもお話したいことがあるのです。」
「どんなお話でございましょう。はかばかしいお返事ができますかどうか・・」と少納言は笑っていた。

源氏が入っていこうとするので、「あ、お待ちください・・」「年取った召使たちが、寝ておりますから、ご覧に入れては失礼でございますから・・」

「女王さんはまだおやすみになっているのでしょう?お目を覚まさせてあげよう・・こんな朝霧をみなくては。」
ひきとめるいとまもない。

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September 26, 2007, 9:11 am
源氏物語 若紫 十八
目覚めると、すでに昼である。
若宮にあてて、手紙を書いた。
「ふぅ・・何か違う」
「恋文は何度も書いたことがあるけれど・・、幼い女王さんにはこんなことを書いても・・」
「絵がいいかな・・そうだきれいな絵をいろいろ描いてあげよう、小さな女の子の喜ぶような」

ちょうどそのころ、かの大納言邸には父君が訪ねてきていた。
以前にもまして、邸内が荒れているのをごらんになった。
古びた広い邸に、たったこれだけの人数で暮らしているのである。

「幼い人をこのようなところへ、いつまでもおいていくわけには行かない。
私の邸へ連れて行こう。なに、そんなに窮屈なところではない。乳母は部屋を用意するからそこにすめばいい。女王さんは、同じ年頃の子供たちがいるから、一緒に遊ぶといい。」そういって、父君は若宮を抱き寄せた。
「あなたの着物は、なんていいにおいがするの・・」
源氏の君の移り香なのであった・・

近いうちに、必ず迎えに来るからと言い置いて、父君は帰っていった。
あとに残った小女王は、心細さと寂しさに、ただただ泣けるのであった。

昨晩、あんな事があったので、本来なら今夜も源氏の君が通ってくるはずであるが、訪ねたのは惟光だった。

 通って行きたいのはやまやまだが・・、あまりに幼い人であるために、ためらわれるのである。

たびたび、手紙を書き、夜は惟光を遣わして宿直させた。

ところが、ある晩いつものように訪ねていくと、みな忙しそうに、縫い物をしたり、大変あわただしい様子で「実は、急に宮様からお話がありまして、明日お迎 えに来られるとのことで・・」

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September 19, 2007, 5:35 am
源氏物語 若紫 十七
ほんとうに、源氏の君が来て下さらなかったら、どんなに心細かったことでしょう。 同じことならちょうどよい年頃でいらっしゃったら・・
と女房たちはささやきあっている。

乳母は、女王さまが心配で几帳のすぐそばに座していた。
夜更け、風が少し吹きやんだころ源氏は大納言家を後にした。
なにか、恋人の家を訪ねたような風情だ。

霧の深い夜だった。このまま帰るのも何か物足りない気がして、ふとこの近くに昔恋の忍び歩きに通った家のあることを思い出され、門をたたいてみた。

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September 12, 2007, 12:33 am
源氏物語 若紫 十六
「少納言、直衣を着た方はどちら?宮様がおみえ?」
なんてかわいい声なのだろう
手を差し入れて探ると、柔らかな着物につややかな髪、かわいらしい姿が心に
思い描かれて、ふと手をとれば、こわがって逃げようとするのについて、御簾の中に入ってしまった。

「きらわないでください。あなたのことを、この世で一番思っているのは、この私なんですよ」

外はあられが降り荒れていた

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August 29, 2007, 2:08 pm
源氏物語 若紫 十五
源氏物語 若紫 十五

源氏は、また尼君に手紙をしたためた。
いつももうひとつ小さな包みを同封して子供にも読めるように
「いはけなき鶴の一声聞きしより 葦間になづむ舟ぞえならん」

このまま、若宮様の手習いのお手本になると、みな感心して言っていた。
少納言からの返事に尼君さまのご病気が重く、今日にも危ないご様子で、これからみなで山寺に移っていくところであることが知らされた。

源氏は初めて尼君に会った日のことを思い出していた。

「手に摘みていつしかも見む 紫の根にかよいける野辺の若草」

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August 20, 2007, 1:21 am
源氏物語 若紫十四
秋も末、月のきれいな夜だった。ある女の家に行こうとして、偶然、故按察使大納言の家を通りかかった。
源氏は尼君を見舞った。病気が重く体面することはできなかったが、隣室で女房に言付けている言葉が、聞こえてきた。

「もし、お心がかわりませんでしたら、あの子がもう少し大きくなったときに、どうか・・」
尼君は孫娘の将来のことだけが、心残りなのであった。

源氏はあの若宮の声を一言でも聞きたいと願った、そのとき足音がして、「あの源氏の君がいらしていますよ、なぜごらんになりませんの?」「ほら、源氏の君をごらんになったから、気分の悪いのがよくなったって、あのときおっしゃったわ」

思いもかけず、若宮の声を聞くことができて源氏はうれしかったが、女房たちが困っているようすなので聞かぬふりをした。
「なるほど、たしかに幼い。しかし、そこがまたいい・・」
あの子なら、きっと理想の女性に仕立てることができる。

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August 4, 2007, 1:52 pm
源氏物語 若紫十三
なやみははてない
藤壺の宮も、もしかして・・・と、ご自身の体調の変化を感じ取っていた。
三月ともなれば、そばに仕える人々にも、はっきりとご妊娠の兆候が現れて来た。
この月になるまで奏上されなかったことに、人々はおどろいたが・・

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Posted by 佐紀 at August 4, 2007, 1:52 pmComments(0)TrackBack(0)
July 25, 2007, 5:00 am
源氏物語 若紫十二
そのころ藤壺の宮は、少し具合が悪くなられて、里へ帰っておられた。
帝がたいへん心配され、心を痛めておられる様子がみてとれる。
それなのに源氏は、あのひとに会うことができるのは、今をおいてほかにないと思うと、もうほかのどんな人のことも思うことができず、昼は一人物思いにふけっているご様子であったが、日暮れともなれば・・
王命婦に無理な頼みをする・・そんなまいにちであった。

そして、ついに恋しい人と対面した。
なにか夢の中にいるような、たよりないこころであった。
こうして、身も世もなく恋焦がれた人とともに過ごしているのに、なぜ、幸福と思えないのだ・・

あの人は、あのときのことを思い出しておられる。
二度と過ちを犯してはならないと、心に深く念じておられるのだ。
やさしく、いつくしむように私を見た。が、けして昔のように、心を許してくださらなかった。

 見てもまた 逢ふ夜まれなる夢のうちに やがて紛るる 我が身ともがな

 世語りに人や伝えむ たぐひなく 憂き身を覚めぬ夢になしても

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Posted by 佐紀 at July 25, 2007, 5:00 amComments(0)TrackBack(0)
July 15, 2007, 10:44 pm
源氏物語 若紫十一
後の日、源氏は尼上に手紙をしたためた
「私のお願いをまったく本気にとってくださらないので、心のうちを言い尽くすこともできなかったのですが、こうしてふたたびお手紙を差し上げますことで、並々ならぬ思いのほどを察してくださるならば、どれだけうれしいことでしょう。」
なかに、小さく結んで  

「面影は身をも離れず山桜 心の限りとめて来しかど・・」

それは見事なうつくしい筆跡であった。
またその手紙の包み方にしても、年老いた人々には、なんとも若い人らしく洒落ていると思えた。

尼君は当惑をかくせなかったが・・

 「嵐吹く尾の上の桜散らぬ間を 心とめけるほどのはかなさ

気まぐれでございましょうに・・」

なおも源氏は惟光をつかわして

 「あさか山浅くも人を思わぬに など山の井のかけ離るらむ」

御返しに
「汲み初めてくやしと聞きし山の井の 浅きながらや影を見るべき」

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Posted by 佐紀 at July 15, 2007, 10:44 pmComments(0)TrackBack(0)
July 8, 2007, 11:51 am
源氏物語 若紫十
左大臣自ら迎えに来てくれたから、気は進まぬけれど
妻の家に行った。
自らは、窮屈な思いをしながら、私に良い席を奨めてくれたのも娘を思う親心。
申し訳ないと、心にわびながら、家に着けば美しくみがきしつらえて・・

あなたが心を許してくださったなら・・
わたしはこんな恋の遍歴を繰り返すことも無かったのに・・

とはぬはつらきものにや・・
なぜそんなことをいうのですか

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Posted by 佐紀 at July 8, 2007, 11:51 amComments(0)TrackBack(0)
July 2, 2007, 8:26 am
源氏物語 若紫九
左大臣家より迎えが遣わされた。
こんなきれいな花影に、少しも休まずに帰ってしまうなんて、もったいないですよね。
などいって、彼らも滝の流れる岩のそばに座をしめて、酒を酌み交わした。
 頭の中将はいい音で横笛を吹き、弁の君は扇をかすかに打ち鳴らしながら「豊浦の寺の西なるや〜」と歌った。
 
僧都が、琴というの七弦の唐風の楽器を持ってきて、ぜひにと源氏に請うた。
「こんな体の具合なので、聞き苦しいかもしれませんよ。」といいながらも、快く琴をかき鳴らすと、みな聞き入って、満足して帰り支度を始めた。

法師たちも、子供たちもみな、別れを惜しんで涙をこぼした。
家の中では、尼君たちがおたがいに源氏のすばらしさをたたえ「この世のものとは思えません」などといいあった。

かの、姫君も幼いながら、「なんて美しい人・・」と源氏の君を見ていた。

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Posted by 佐紀 at July 2, 2007, 8:26 amComments(0)TrackBack(0)
June 26, 2007, 12:02 pm
源氏物語 若紫八
聖人は動くのさえ容易ならぬ身であるのに、源氏のために僧都の坊へ来て経を読んだ。 枯れた声であったが、その声がなんとも尊く心に染み入るのである。

宮中からの迎えの人々が到着し、病の癒えた喜びを申し上げた。
「宮人に行きてん語らん・・」と歌を詠む源氏の声、またそのものごし、
まさに貴公子というにふさわしい、はなやかさである。

僧都は
 「優曇華の花 待ち得たる心地して 深山桜に目こそ移らね」と歌を返した。

 「奥山の松のとぼそをまれに開けて まだ見ぬ花の顔を見るかな」
と言って源氏を見つめる聖人の目から涙がこぼれた。
そして「お守り・・」にと言って独鈷を差し上げた。
 
僧都は聖徳太子が百済の遣いから献上されたという金剛子の数珠をお贈りした。
その唐風の箱は、そのときの遣いが国から入れてきたときのそのままである。
それを薄絹の中の透けて見える袋に入れ、五葉の枝につけて、また紺瑠璃の美しいつぼに、薬を入れて藤や桜などの枝につけなどしてあった。

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Posted by 佐紀 at June 26, 2007, 12:02 pmComments(7)TrackBack(0)
June 16, 2007, 6:09 am
源氏物語 若紫七
源氏は尼君に歌を送った。
「初草の 若葉の上を見つるより 旅寝の袖も露ぞ乾かぬ」
「枕 結う今宵ばかりの露けさを み山の苔に比べざらなむ」
尼君はこんな風に歌を返した。

「この機会に、どうしてもお話したいことがございます・・」
と源氏は言ったが、しっとりした大人の女性と対面して、若い源氏はなかなか次の言葉が出なかった。

尼君は「こうして、思いもかけず、あなたのような方と、お話ができるのも、
きっと前世からの因縁があったのですよ」という。

源氏は自身の身の上を語った。 幼い時、母を失い今日まで、心のよりどころのないまま生きてきたことを。そして、同じ境遇の姫君がかわいそうでならない。
「どうか私に、姫君の将来を預けてください。」
「まあ・・なんということを・・
それはもったいないほどうれしいお話ですが・・
まだまだ、とてもそんなお約束のできる年頃ではありませんのよ。」

「わたしは、何もかも知っています。
どうかお願いします、浮ついた気持ちではありません。わたしは、真剣なんです」

こんなに言っても、尼君は快い返事を下さらない。
姫君があまりに幼いことを源氏の君はご存じないのだから・・と思っているらしい。
そこへ僧都の足音が聞こえた。
「では、今日はこれで失礼します。 でも、きっと私の誠意をわかっていただけると信じています」
と言って源氏は屏風を元のように直して、去った。

「吹きまよふ深山おろしに夢さめて 涙もよほす滝の音かな」
 「さしぐみに袖ぬらしける山水に 澄める心は騒ぎやはする」
源氏と僧都はこんな風に歌のやり取りをした。

いつの間にか夜が明けている。
鳥のさえずりがどこからともなく聞こえ、さまざまな木や草の花が散りこぼれているさまは錦を敷いたようである。
そこを鹿が、歩いているこんな光景を見ていると病のつらさもうそのように消えていった。

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Posted by 佐紀 at June 16, 2007, 6:09 amComments(0)TrackBack(0)
June 9, 2007, 7:03 am
源氏物語 若紫六
あの少女は按察使大納言の娘と、兵部卿宮の間にできた子だったのだ。
それで、あの人に似ているのだ・・と、源氏は僧都の話をしみじみ聞いていた。

「そうでしたか・・
で、その方には忘れ形見などもなかったのですか?」

「亡くなる直前に、女の子を産みましてな、まあその子が心配の種で・・」

「やはり!・・」と源氏はこころで言った。
「いきなりこんなことを言ってはなんですけれど、そのおじょうさん、わたしにあずけていただけませんか?
実は私は結婚はしていますが、あまり性格が合わないようで、独りもののようにくらしていますから、ぜひ将来は・・」

「ありがたいおことばですけれど、まだ、まるで子供でして、とても考えも及びませんことですが・・ともあれ、祖母にそう言ってみましょう。」
といって、僧都は初夜の勤めに出て行った。

静かに雨の降る音がする
ひんやりと山風が吹き、滝の音もいよいよ際立って聞こえてくる。
途切れ途切れに聞こえる読経の声。
夜も更けた。

隣の部屋からは、数珠の脇息に触れる音がかすかに聞こえてくる。
あの衣擦れの音・・幼いころの思い出がよみがえってくる。

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Posted by 佐紀 at June 9, 2007, 7:03 amComments(2)TrackBack(0)
May 29, 2007, 10:19 pm
源氏物語 若紫五
源氏のために美しい寝室がしつらえられていた。
名香の香が匂ていた。

僧都は語った。この世は仮のものであり
来世こそが真の世であることを

源氏は、我が身の罪を思う。こうして、生ける限り悩み続けるのであろう・・。

いっそ出家しようか・・そんな考えが心をよぎった。

とはいえ若い源氏には、昼間見た少女を忘れかね、
「実は、こんな夢を見たのですが・・」と話を切り出した。

「突然な夢のお話ですね」と僧都は笑った。

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Posted by 佐紀 at May 29, 2007, 10:19 pmComments(2)TrackBack(0)